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昨日、ビール類出荷量首位のアサヒビールが、
同3位のサッポロビールの持ち株会社である、
サッポロホールディングスに対し、
経営統合を提案していることが報じられていました。
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・
ストラテジック・ファンドもTOB(株式公開買い付け)
によるサッポロの買収を提案している模様ですが、
これには、さすがに応じない公算が大きいようです。
アサヒは昨年末、取引銀行を通じてサッポロに対し、
非公式に経営統合を提案しており、
商品の共同配送や清涼飲料などでまず提携。、
その後統合へと段階を踏みたい考えで、
サッポロと組むことでのメリットは計り知れません。
規模の拡大と品ぞろえの強化が進み、
市場占有率でほぼ肩を並べるキリンビールを
突き放す形となるでしょう。
一方サッポロは、敵対的買収に対抗する
友好的なホワイトナイト(白馬の騎士)が出現すれば、
資本提携などの他社からの提案を検討する考えを示しており、
サッポロの姿勢次第でビール業界あ大きく変わる可能性が出てきました。
元々、アサヒとサッポロは1949年まで同じ会社でしたが、
戦後の過度経済力集中排除法により、
2社に分割された経緯もある。
アサヒが追い上げるキリンを突き放し、
首位の座を確保するため、
サッポロとの統合は最も確実な手段といえるかも知れません。
酒類の国内消費量は年々縮小傾向にあり、
焼酎やワイン、低アルコール飲料などが成長する一方で、
ビール類の比重は下がり続けています。
アサヒは主力の「スーパードライ」を中心としたビールで
50%近いシェア(占有率)を誇るが、
発泡酒、ビール風味のアルコール飲料「第3のビール」では、
正直出遅れている事は否めません。
2004年には国内のビール類のシェアで
キリンに5・2ポイントの差を付けたが、
昨年は0・2ポイント差まで追い上げられています。
スーパードライだけのブランドでは限界が見え始めているのは事実でしょう。
サッポロと手を組めば、高級ビール「エビス」や
第3のビール「ドラフトワン」など
商品力のあるブランドを手にできます。
営業力でかつて「西のアサヒ、東のサッポロ」と言われたように、
得意な地域が重複しないメリットもあります。
長々とかきましたが、要は、
スティール・パートナーズかアサヒか、はたまた第三者か?
それによって、業界が大きく変わるかもしれないと言う事です。
今後の動向が非常に気になります。
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