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先に述べていますように、サン=テミリオンの格付見直しについて異議が唱えられ
一部のシャトーが(復権を目指して)裁判を起こしていますが
意外な展開になってきました。
報道によりますと、裁判所は
「格付けについて、“合法性の重大な疑問”があり、一部のシャトーについて
差別が行われた可能性がある」と判断しました。
格付けを判定する、ネゴシアンやブローカーからなる“委員会”の審判には
問題があり、いわゆる立候補が等しく扱われず、
また、判断されるべき95シャトーのうち訪問を受けたのは
僅か7シャトーであったとしています。
3つに分類されているサン=テミリオンの格付けそのものに
疑問の目が向けられており、先行きが怪しくなってきました。
10名からなる委員会メンバーのなかに、二人のクルティエと
トップランクのシャトーのアドバイザーを努める弁護士が含まれていた為
委員会の決定の公正さに重大な疑問が持たれているようです。
いわゆる体制の中心にある側の既得権によるもので
そこまでの流れは歴史的にみても自然であるともいわれていますが
公平であるべき格付けについて裁判所は
既得権を認めないのでしょう。
3月30日に判断された“臨時の判決”によって
当面の間サン=テミリオンの格付けは全て実効性を失っており
格付けそのものが無い(存在しない)ものとして扱われます。
裁判が長引けば、いずれのシャトーも出荷されるワインに
ラベルに格付けを表示する事すらできません。
正式な判決がいつ下されるか決まっていません。
1996年に行われた委員会の格付け作業について
裁判所は広範囲の法的精査を行っている模様で
最悪の場合INAOによって保証されてきたサン=テミリオンの
格付けはなくなってしまうかもしれません。
というより、その可能性が大きくなってきたと言って構わないでしょう。
リポートによりますと、二次的な“委員会”のおこなう格付けが
無効という判断であれば、ボルドー全体の格付けに
大きな疑問を投げ掛けると伝えています。
メドックやグラーヴ、ソーテルヌもうかうかしてられません。
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