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長年Ch.ペトリュスを始め、ムエックスのワインの醸造を担当してきた
ジャン・クロード・ベルエが今年を最後に引退するそうです。
1963年、22歳でムエックスのチームに入ってから44年間
ずっとペトリュスを担当してきた彼の功績は
輝かしいペトリュスの功績と等しく扱われなければならないと思います。
彼の造るワインは、現代的な過熟気味とも思える、
完熟した葡萄で造られる、凝縮感の高い葡萄で造られた
M.ローロンに代表される現代の醸造家が造るスタイルのものとは
一線を画していて、十分な酸が残っている段階で
バランスのとれている葡萄を選別して造るという
どちらかといえばクラシックな造りで
長年ボルドー最高峰に君臨するペトリュスを造ってきました。
並々ならぬ力量であるとしかいえませんね。
現段階で、ムエックス社は彼の後継者を指名しておらず
彼の助言のもと、今まで一緒にワイン造りに携わってきた
スタッフが継承して担当するのであろうとのこと。
急にスタイルが変わってしまうことはなということですね。
ムエックス社のワインは彼以外の醸造家が造る
(優れた)ワインも少なくないのですが
J.C.ベルエがいたおかげで、彼が重石になり
今のモダンなスタイルに大きく振れる事無く
スタイルを守ってきた事は間違いないと思います。
これからJ.C.ベルエはムエックス社のコンサルタントをしながら
彼の息子が担当しているシャトーの面倒を看る模様。
最後のヴィンテージとなった2007年は、
最後を飾る素晴らしいヴィンテージとは言い難いのですが
J.C.ベルエ最後のヴィンテージとして語られる事が多くなるでしょう。
J.C.ベルエの後継者が彼のスタイルを守りながら
これまでの偉業に負けないワインを数多く生み出して欲しいものです。
お疲れ様でした。
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